熱い男たちが多い『北斗の拳』の中でも愛に全てを懸ける宿命を背負う「殉星」の男、シン。
実はこのシンという男、一度はケンシロウを倒したことがあるのです。そしてなんと! ケンシロウの胸にある”七つの傷”はシンが付けたものなんですよ!
一体このシンという男は何者なのか? そしてあの強いケンシロウが何故負けたのか?
非常に気になるところです。この記事では、シンについて徹底的に調査していきたいと思います!!
またシンは“南斗六聖拳”の一人『南斗弧鷲拳』の伝承者でもあり、只者ではなさそう!?
それではみていきましょう!!
シンの基本情報
ここではシンの簡単な基本情報についてみていきたいと思います。
名前 | シン |
身長 | 183cm |
体重 | 98kg |
スリーサイズ | バスト130cm/ウエスト92cm/ヒップ105cm |
組織 | 暴力組織『KING』を統率 |
流派 | 南斗六聖拳の一人 『南斗弧鷲拳』の伝承者 |
宿星 | 愛に殉じる宿命を背負う『殉星』の男 |
《流派》
シンの流派は『南斗聖拳』。
南斗聖拳は『北斗宗家』から分かれた拳法の一つ。元々北斗の伝承者争いに敗れた者や、他の優れた拳法家が集まって「南斗」を名乗ったのが始まりとされていて、南斗はやがて六流派のいずれに属する流れとなって六つのグループを形成します。(Wikipedia参考)
流派のトップに位置するのが「南斗六聖拳」。「南斗六聖」と呼ばれ、シンは『南斗弧鷲拳』の伝承者です。
また、”愛に殉じる宿命を背負う南斗六聖拳『殉星』の男”と言われています。
《KINGと名乗る》
シンはユリアのために、幾度となく略奪と殺戮を繰り返し、組織は膨れ上がり不動の権力を手にしました。
そして関東一円を支配する暴力組織『KING』を統率し、そして自身も「KING」と名乗ります。
幹部部下には、スペード、ダイヤ、クラブ、ハートがいます。
《ユリアのための街サザンクロス》
シンはついにはユリアのための街、『サザンクロス』を作り上げました。
「この町のすべてのもの 草も木も人間すらも すべておまえのものなんだ」 (漫画『北斗の拳』<究極版>1巻10話)
しかし、シンのそんな行為とは裏腹にユリアから返ってきた言葉は違うものでした。
「わ…わたしの心は変わらない 心が変わらないかぎりあなたは同じことをつづける …―… 罪もない人がなん人も苦しみそして死んでいく そ…そんなこと わたしには……」 (漫画『北斗の拳』<究極版>1巻10話)
と言うと身を投げてしまいます。
ケンシロウを忘れられないユリアを権力で振り向かせようとしたシン。しかし、ユリアはそういった行為では当然心が変わることはありませんでした。
シンの愛のかたちは許されるものではありませんが、シンもまた本気でユリアを愛していたことがわかるシーンの一つだと思います。
(感想)
シンは『北斗の拳』で一番最初に登場する大物キャラです。最初は情報が少なく、シンの人間性、キャラ位置がいまいちよくわからない、というのが正直な感想でした。
しかし後には、シンほど純粋にユリアを愛し、ユリアのために生きた人物はいないのではないかと思うように。
また同時に、シンは知れば知るほど『殉星』の男だということを認識させられ、切ない気持ちになります。
切ない宿命が多い『北斗の拳』。その中でも特に切ないキャラの一人だと思いました。
シンとケンシロウの間には何があったのか!?
ケンシロウは旅を続けていました。それはシンを探し出すため!? シンとケンシロウの間には何があったのか、詳しくみていきたいと思います。
(あらすじ)
ケンシロウは旅の途中、さまざまな敵と会いました。最初は『ジード』、そしてスペード。
『KING』のスペードを倒したケンシロウの話は一人の男に伝えられます。
男の側には部下である、ダイヤ、クラブ、ハートの姿も。「探し出しますか?」という部下たちに男は、「その必要はない いずれやつのほうから おれたちを探すことになる」と答えました。
男の言う通りケンシロウは、ダイヤ、クラブを倒し、そして男の名前を言いました。「やつの名はシン!!」
ケンシロウはついにシンの前に立ちます。しかしシンと闘うにはまずハートを倒すことに。
特異体質のハートに手こずるケンシロウ。その時、ケンシロウはシンの横に座るユリアの姿を見ました。
その姿を見たケンシロウは涙し、ハートを倒します。そしてシンとの対決。シンの先制攻撃、ケンシロウはシンの腕を掴みます。”昔のケンシロウではないな”と言うシンにケンシロウは
「執念!! おれを変えたのはきさまが教えた執念だ!!」と答えました。
(漫画『北斗の拳』<究極版>1巻8話)
シンは闘いの最中に「執念の元をたってやろう」と言うと、座るユリアの胸元を貫きました。
それを見たケンシロウは怒りでシンを倒します。しかし! ケンシロウはあることに気がつきます。それはユリアそっくりの人形だったのです。
《シンとケンシロウは知り合いだった!?》
そう、実はシンとケンシロウは初対面ではなかったのです。
なぜ敵対したのかというと・・・
シンがケンシロウの恋人、“ユリア強奪”したからでした。
このシンとケンシロウの対決シーンの1年前、ケンシロウとユリアが安住の地を求めて旅立とうとしていた時です。
たくさんの部下を連れてシンが現れました。「力こそが正義 いい時代になったものだ 強者は心おきなく好きなものを自分のものにできる」 (漫画『北斗の拳』<究極版>1巻8話)
ケンシロウに手を出し、ユリアの事が好きだと言うシン。二人は拳を交えました。
『南斗獄屠拳』を食らったケンシロウの肘、膝からはおびただしい量の血が噴き出します。
地面に倒れるケンシロウ。シンはケンシロウに致命的な違いがあると言いました。
それは「欲望…執念だ!!」と…。
そしてユリアに「おれを愛しているといってみろ」と強要するシンは、ケンシロウを起こし指を胸に刺していきます。
「おれをとめられるのはおまえだけだ」と言われたユリアは、ケンシロウに7つ指の穴が開いた時そんなケンシロウを見ていられなくなり、「あ…愛します!! 一生どこへでもついていきます!!」と叫びました。
そしてシンに連れて行かれたのです。
こんな過去があったんですね。
あのケンシロウの7つの胸の傷もこの時につけられたものだったのです。
(ポイント)
しかも! シンにユリアを強奪するように唆したのは誰だと思いますか?
なんと・・・ジャギ!! あのジャギです。
それはケンシロウとジャギが闘ったときにわかりました。
北斗伝承者となり、その上ユリアまで手に入れたケンシロウが憎かったジャギは、ユリアを諦められずにいるシンに揺さぶりをかけたのです。
「なぜあきらめる必要がある おまえもあのケンシロウの甘さは知っていよう 今の時代をあいつでは生き抜いていくことはできん!! となればユリアは必ず誰かの手に落ちる!!」
「それでもいいのか!! おまえほどの男がなにを迷うことがある! 奪いとれ 今は悪魔がほほえむ時代なんだ!!」 (漫画『北斗の拳』<究極版>4巻43話)
シンはジャギに唆されたんですね。もし、ジャギがシンに接触しなければシンはきっとユリアを強奪することはなかったのではないでしょうか。
そう思うのは、こんなにもユリアに対して愛情を持てる男がそんな卑怯なことを最初から考えているようにはとても思えないからです。
後にシンの愛情の深さを目の当たりにすることになります。(次の項目)
ユリアはその後どうなったの!?
シンはユリアの為に度となく略奪と殺戮を繰り返しました。しかし当然ユリアに受け入れられるものではなく……、身を投げたユリアがどうなったのかみていきましょう。
シンとケンシロウの闘いでシンがユリアの胸を突いたのですが、それは”人形”であることがわかりました。
そしてシンが敗れ、シンの口から聞かされたのは「ユリアはもういないんだ」ということ。
ケンシロウは“ユリアが身を投げた”を聞かされました。
とういうことはユリアは・・・と思いますよね。
しかし!! 物語は急展開、意外な事実がわかりました。
実はユリア・・・・・生きていたのです!!!
身を投げたユリアが何故生きていたのか、その理由をケンシロウが知ったのは、南斗最後の将の正体をユリアを守る南斗五車星の一星『山』のフドウから聞かされた時でした。
~シンの前で身を投げたユリア。シンは急いで地上へと向かって走ります。「ユリア死ぬな!! (生きて…ただ生きてさえいてくれればもう…)」
シンが地上に着くと、そこには傷一つ負っていないユリアが横たわっていました。
生きているユリア。不思議がるシンの後ろに3人の人物が現れます。ユリアを守る五車星の一星『山』のフドウと、『海』のリハク、娘のトウでした。
この五車たちは、南斗正統血統であるユリアを常に守護していたのです。
そしてシンに、”ラオウの軍勢がすぐそこまで来ている、ユリア様を迎えに来た”と告げました。
ラオウもユリアを奪おうとしていたのです。そしてフドウは言いました。「ラオウの性格は知っているはず ユリア様の心が開かねば無言のもとに殺しましょう」
シンはユリアの顔をジッと見つめ、「連れて行け!!」とユリアを五車星たちに渡しました。
“ユリアが死んだとなればラオウも追うまい” シンはあえてユリア殺しの悪名を被ったのです~
シンはケンシロウにこの事実を伝えませんでした。
ここからは個人的な考察になるのですが、シンは何よりもユリアの身を案じたからケンシロウにも言わなかったのではないかと思いました。
ラオウはもちろんのこと、誰かがユリアを追うことによってユリアが狙われることを一番に心配したから…そんな気がします。
それはケンシロウにも言えることで、ケンシロウがユリアが生きていることを知り動けば、察知した者がユリアを狙う可能性がある、そこまで考えていたのではないかと思います。
また、ケンシロウに対しては、恋敵みたいな思いもあったのではないかと。
ユリアへの思いを持つ者同士、最後まで勝負をして決着をつけたい、そんな意地もあったのではないでしょうか。
それはこんなセリフからも感じ取れました。
「いずれおれかケンシロウ…どちらかがふたたびユリアの前に…その時まで決して死なすでないぞ」 (漫画『北斗の拳』<究極版>9巻121話)
ユリア殺しの悪名をあえてかぶり、ケンシロウとはユリアを思い勝負をする、シンが”愛に全てを懸ける宿命を背負っている”のがよくわかるシーンだと思います。
シンの強さは!? どんな技がある!?
ケンシロウの胸に傷をつけた男シン。彼の強さは一体!? またどんな技を使うのでしょうか。みていきたいと思います。
《シンの技》
『南斗獄屠拳』
この技は、ケンシロウとユリアが安住の地を求めて旅立とうとした時、シンがユリアを奪いにケンシロウたちの前に現れた時に使われた技。
ケンシロウとシンが同時に飛び上がり空中で拳を交わし、両者着地した時です。ケンシロウは肘、膝を深く切られ地面に倒れてしまいました。
恐ろしい技です。自由を奪われたケンシロウはどうすることも出来ません。
そしてこの時シンは、”おれに勝つことはできん”と言いました。”おまえとおれには致命的な違いがある それは欲望…執念だ”と…。
そして部下にケンシロウを立たせ胸に七つの傷を付けました。
このことからも、最初はシンの方が強かったのでしょう。しかし、それは実力というより欲望や執念の強さが後押ししている、そんな気がしました。
『ケンシロウの手のひらを突き刺す』
これは再びケンシロウと闘った時です。”きさまの技はすべて見切っている”と言うケンシロウ。シンはケンシロウの手のひらを突き刺しました。
シンを倒すため地獄の底から這い戻ってきたケンシロウ。以前のケンシロウではなく執念がケンシロウを変えたと言います。
「執念!! おれを変えたのはきさまが教えた執念だ!!」
皮肉にも、シンの行為がケンシロウに執念を与え、ケンシロウを強くしたのでした。
(感想)
総合的に見て、シンは“大物”だと思います。まず、『KING』の頂点にいる男です。弱いはずがありません。
そして。何といっても南斗六聖拳の一人、『南斗弧鷲拳』の伝承者です。
核戦争が起きず、世が世ならば愛に生き素晴らしい拳士だったことでしょう。しかし愛に全てを懸ける宿命を背負っているばかりに、ジャギという悪党に唆されユリアを奪う行為に走った、そう考えると残念でなりません。
シンの名言
ここではシンの名言に触れてみていと思います。愛に全てを懸ける宿命を背負う男シンはどんな名言があるのでしょうか。
「いない……ユリアはもういないんだ おれとおまえの戦いは永久に決着がつかないんだ」
(漫画『北斗の拳』<究極版>1巻10話)
ケンシロウに秘孔を突かれ敗れたシン。ユリアが精巧な人形だということがケンシロウに気付かれ、涙を流しながらこのセリフを言いました。
とても複雑なセリフであり、状況だなと…。シンはユリアのためだけを思って暴挙の限り尽くしても、最後までユリアの心を振り向かせることが出来ませんでした。
なんでもっと誠意を持って接しなかったのかなとも思ってしまいました。もっと紳士らしく接していたらひょっとしたら?なんてこともあったかもしれないのに…とちょっと考えてしまいます。(苦笑)
「だがな おれはおまえの拳法では死なん!! おれは!! さらばだケンシロウ」
(漫画『北斗の拳』<究極版>1巻10話)
ケンシロウに突かれた秘孔が破裂し始めた時、シンはこのセリフを言いながら身を投げました。
まさにシンの意地を見た気がします。あくまでもケンシロウの秘孔に敗れるのではなく、自らの意思でと言いたいのでしょう。
しかし、個人的には少し気になったことも。…死なん!! おれは!! の”おれは”の時です。
シンはケンシロウをジッと見つめました。
この言葉にシンの思いの強さの他に、何か特別な感情があるような気がしてならないのです。
どんな?と言われてもわからないのですが、いろんな解釈の仕方が出来るのではないかなと思いました。
「この町…ユリアのために築いたサザンクロスが あいつの墓標になってしまった」
「しかしこんな街も富も名声も権力も………むなしいだけだった おれが欲しかったものはたったひとつ ユリアだ!!」
(漫画『北斗の拳』<究極版>1巻10話)
「ならばこのシンが守り抜いてみせるわ!!」
(漫画『北斗の拳』<究極版>9巻121話)
上はシンがケンシロウに敗れた時に言ったセリフで、下はユリアが身を投げて南斗五車星がシンの前に現れた時に言ったセリフです。
今までで一番綺麗なシンの本心のような気がしました。ユリアに対しての愛はいつだって本物だったと思いますが、間違った愛情表現をしてきたシン。
そんな中でこの言葉は一番男らしく、透き通った綺麗さを感じました。
【まとめ】
『北斗の拳』で一番最初に登場した『南斗六聖拳』の一人であるシン。
『南斗弧鷲拳』の伝承者で、”愛に全てを懸ける宿命を背負う「殉星」の男”
その通りにシンはユリアを思い暴挙を繰り返し、そしてユリアのために自ら”悪名”を被りしました。
そして最後は宿敵ケンシロウとの闘いに敗れましたが、”ケンシロウの拳では死なん”と自ら身を投げます。
シンは愛情深く、最後までケンシロウと闘うことを望んでいたことがわかりました。
何だか切ない男ですね、シンって…。個人的には良キャラの一人ではないかと思っています。
シンについて詳しく知りたい方は、『北斗の拳』第4話~10話、第121話をチェックしてみてくださいね。
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